毒親育ちだからもう手遅れ?|アダルトチルドレンの生きづらさを改善する3つの方法

「子どもの頃から、人の顔色ばかり気にしてきた」
「何十年も生きづらかったのに、今さら変われるの?」
「毒親育ちだから、一生このままなのかな?」

そんなふうに思っていませんか?

私自身、40年以上長い間、人に嫌われることを恐れ、周囲の評価ばかり気にして生きてきました。
うまくいかないことがあると自分を責め、何日も落ち込んでしまうこともありました。

でも今は、失敗しても自分を立て直し、毎日の小さな幸せに気づけるようになりました。

毒親育ちだからといって、大人になってからの生きづらさが、もう改善できないわけではありません。

過去の出来事は変えられなくても、今の自分との向き合い方は、少しずつ変えていけます。

今回は、アダルトチルドレンの生きづらさが続く理由と、私の経験から学んだ3つの改善方法をご紹介します。

毒親育ちはもう手遅れ?アダルトチルドレンの生きづらさは改善できる

アダルトチルドレンとは?大人になっても続く生きづらさ

アダルトチルドレン(AC)とは、幼少期の家庭環境や親子関係が、大人になってからの生きづらさに影響している人を表す言葉です。
医学的な診断名ではありませんが、自分の生きづらさを理解するための言葉として使われています。

例えば、こんなことはありませんか?

  • 相手の顔色を見て、自分の行動を決めてしまう
  • 嫌われるのが怖くて、本音を言えない
  • 失敗すると、必要以上に自分を責めてしまう
  • 人に頼れず、何でも自分で抱え込んでしまう
  • 周囲に認められないと、自分に価値がないように感じる

こうした反応には、子どもの頃の経験が関係している場合があります。

例えば、親の機嫌によって怒られたり、突然叩かれたりする環境で育ったとします。
すると、怒られないために相手の顔色を確認することが、当たり前になってしまうことがあります。

それが大人になっても続き、職場や家庭、人間関係での生きづらさにつながるのです。

大人になってからでも変えられること

では、子どもの頃に身についた考え方は、大人になってからでは変えられないのでしょうか?

そんなことはありません。

もちろん、過去に起きた出来事を変えることはできません。
長い間続いてきた習慣も、すぐには変わらないでしょう。

でも、今の自分が何を感じ、どう考え、どんな行動を選ぶのか。
そこには、今から見直せる部分があります。

生きづらさの改善とは、嫌なことが起きなくなることではありません。

失敗したり、傷ついたりすることがあっても、自分を責め続けずに立て直せるようになる。
それも、大きな変化の一つです。

毒親育ちの生きづらさにつながる3つの思考・行動パターン

では、なぜ子どもの頃の経験が、大人になってからも影響するのでしょうか?
私自身の経験も踏まえて、生きづらさにつながる3つのパターンを考えてみます。

① 怒られないよう、人の顔色をうかがう習慣が身についている

子どもの頃、私は父がいつ怒り出すのか分からず、いつも顔色を気にしていました。

相手が笑顔でいれば安心する。
でも、少しでも不機嫌そうに見えると、不安になってしまう。
そんな反応が、大人になってからも続いていました。

職場で上司の機嫌が悪いと、
「私が何かしたのかな?」と考えてしまう。
自分に原因があるのか分からないのに、先回りして相手の機嫌を取ろうとするのです。

子どもの頃には、自分を守るために身につけた行動だったのかもしれません。
でも、大人になった今も同じように反応していると、常に周囲を気にして疲れてしまいます。

▼相手の機嫌まで自分の責任だと感じてしまう理由については、こちらの記事でも詳しくお話ししています。
→人の機嫌まで「私のせい」と感じてしまう理由|アダルトチルドレンの自分責めをほどく3つの方法

② 他人からの評価で、自分の価値を決めてしまう

以前の私は、周りの人に認めてもらいたいという気持ちが、とても強かった。

褒められれば嬉しい。
認められれば、自分にも価値があると思える。
でも、誰かに否定されたり、期待した反応が返ってこなかったりすると、一気に落ち込んでしまうのです。

自分の価値を、他人の評価に預けてしまっていました。
そうすると、自分の気持ちよりも、相手にどう思われるかが大切になってしまいます。

本当は嫌でも断れない。
自分の意見があっても言えない。
その結果、無理をしていることにさえ気づかなくなる。

私の場合、幼い頃から父の機嫌を気にしていました。
そのため、自分がどう思うかよりも、相手にどう思われるかを優先することが習慣になっていたのです。

③ 失敗すると、自分自身を否定してしまう

仕事でミスをしたとき、本来なら、その失敗の原因を確認し、次にどう防ぐかを考えればよいはずです。

でも、以前の私は違いました。

「こんなミスをするなんて、私はダメな人間だ」
「みんなに迷惑をかける私は、仕事に向いていない」
一つの失敗を、自分自身の価値と結びつけてしまっていたのです。

さらに、
「あの人にも嫌われたかもしれない」「もう会社に行きたくない」、考えが広がっていきます。
失敗そのものよりも、失敗した自分を責め続けることで、苦しさが大きくなっていたのだと思います。

▼職場での失敗や相手の言葉を何度も思い出し、自分を責めてしまう方へ。こちらの記事では、私が実践している5つの整理法をご紹介しています。
→職場のひと言を思い出して「ひとり反省会」が止まらない|私が自分責めを整理する5つの方法

40年近く生きづらさを抱えていた私が、変わろうと思ったきっかけ

一度の仕事のミスから、立ち直れなかった頃

以前、事務の仕事をしていたとき、大きなミスをしたことがあります。

社会保険の加入手続きを、電子申請で行ったときのことです。
急ぎの手続きだったのですが、本来は窓口に提出する必要があるものを、私は見落としていました。

提出方法については、以前に教えてもらった内容として、自分のメモ帳にも書いてありました。
それなのに、確認をしないまま電子申請をしてしまい、申請が差し戻されてしまったのです。

結局、営業担当の人が急いで書類を窓口まで持っていくことになりました。
私は強く叱られ、周囲にも大きな迷惑をかけてしまいました。

もちろん、私の確認不足でした。
でも、当時の私は、ミスの反省だけでは終わらなかった。

「私は、この仕事に向いていない」
「みんなに、仕事ができない人だと思われた」
「明日、どんな顔をして会えばいいんだろう」
そんなことばかり考えていました。

その後の仕事にも集中できず、どうやって家に帰ったのか分からないほど落ち込みました。
家に帰ってからも、頭の中は失敗したことばかり。
翌日も会社に行くのが憂うつで、もう仕事を辞めたいとさえ思っていました。
一度の失敗で、何日も気持ちを立て直せなかったのです。

母の「ありがとう」の文字が、変わろうと思うきっかけに

そんな私が、自分自身との向き合い方を変えようと思った大きなきっかけは、母が亡くなったことでした。

母が亡くなった後、私は母の日記帳の中に、私に宛てた「ありがとう」という文字を目にしました。
それまでの私は価値がない人間だと思い込み、自分に自信がまったく持てていなかったのです。

でも、その文字が、それまでの自分の生き方を見つめ直すきっかけになりました。
もしかしたら、私は母に大切にされていたのかもしれないと思い始めたのです。

▼この出来事については、以前の記事で詳しくお話ししています。
→毒親育ちの人間不信|アダルトチルドレンが人を信じられない理由と安心できる関係の築き方

それまでの私は、人に認められることばかりを求めていました。
でも、自分自身は、自分の気持ちをどれだけ分かってあげていただろうか。
そんなことを考えるようになりました。

そこから、少しずつ自分の気持ちに向き合うようになったのです。

今なら、失敗した自分も受け止められる

もし今、同じような失敗をしたら、私もきっと落ち込むと思います。

悔しいし、申し訳ないとも感じるでしょう。
でも、以前とは違います。

まず、
「つらかったね」
「失敗なんて、したくなかったよね」
と、自分の気持ちを受け止めてあげられます。

そして、できなかったことだけでなく、できたことにも目を向けられると思います。

ミスをした部分は反省する。
でも、そこまで一生懸命取り組んできた自分まで、否定する必要はありません。

もし同僚が助けてくれたなら、その優しさにも気づけるでしょう。
「大丈夫? 抱えている仕事を手伝おうか?」
「こういうことは誰にでもあるから、大丈夫だよ」
そんな言葉をかけてもらえたら、申し訳なさだけでなく、ありがたさも感じられると思います。

そして今度は、「誰かが困っていたら、私も助けてあげたいな」と考えられるのです。

他人に認めてもらう生き方から、自分を認める生き方へ

昔の私は、誰かに認めてもらえなければ、自分には価値がないように感じていました。

周りの人が笑ってくれれば嬉しい。
でも、不機嫌そうにされると不安になる。
自分の幸せが、周りの人の反応によって大きく揺れていたのです。

今は、まず自分自身が自分の気持ちを分かってあげることを大切にしています。

失敗することもあります。
嫌なことだって、今でもあります。
でも、その出来事だけで一日を終わらせなくなりました。

以前は、この世界が苦しく、理不尽なことばかりだと感じていた時期もありました。
今は、日々の生活の中にある幸せに、自然と気づけるようになっています。

変わったのは、周りの人や出来事ではなく、自分自身との向き合い方だったのです。

アダルトチルドレンの生きづらさを改善する3つの方法

では、私が実際に大切にしている考え方を、3つの方法としてご紹介します。
今回は仕事で失敗した場面を例にしますが、家庭や人間関係でつらい思いをしたときにも使える考え方です。

① つらいときは、まず自分自身が一番の味方になる

何か失敗したとき。
誰かに怒られたとき。
思いどおりにいかず、悔しい思いをしたとき。

まずは、自分がどんな気持ちなのかを分かってあげてほしいのです。

「本当に悔しかったね」
「失敗なんてしたくなかったよね」
「そんなふうに怒られて、悲しかったよね」
「今日も一生懸命頑張ったよね」

その気持ちを、否定せずに認めてあげる。
周りの人に認めてほしいと思うこともあるでしょう。
でも、誰かが認めてくれるのを待つ前に、まずは自分が自分の味方になってあげてほしいのです。

「そんなことで落ち込むなんて」
「もっとしっかりしなきゃ」
そうやって、自分の気持ちを押し込めなくてもいい。

一度気持ちを受け止めても、また悔しさが湧いてくることもあります。

そのときも、
「そうだよね。まだ悔しいんだよね」と、何度でも認めてあげればいいのです。

自分を責める前に、自分のつらさを自分自身が理解してあげる。

これが、私が最も大切にしていることです。

▼自分の気持ちを認めたくても、どうすればいいのか分からない方へ。こちらの記事では、ネガティブな感情を受け入れるための3つの手順をご紹介しています。
→自分を認められないのはなぜ?|私がネガティブな感情を受け入れて本音を知る3つの手順

② 相手に言いたかった言葉から、自分の本当の気持ちを知る

少し気持ちが落ち着いたら、次に考えてみてほしいことがあります。

「本当は、相手に何と言いたかったんだろう?」

例えば、私が社会保険の申請ミスをしたとき。
確認不足だったのは、明らかに私自身でした。
提出方法はメモにも書いてあり、確認していれば防げたミスです。
それは、自分でも分かっていました。
でも、心の中には、もう一つの気持ちがあったのです。

「ちゃんと教えてくれなかったじゃない!」
「一言、注意してくれればよかったのに!」
「仕事だったんだから、もっと気にかけてほしかった!」
そんなふうに、相手のせいにしたい気持ちもありました。

自分が悪かったと分かっている。
反省もしている。
それなのに、心のどこかでは、相手にも責任があると思いたかったのです。

自分の失敗を認めるのが苦しくて、何とか自分を守ろうとしていたのかもしれません。
頭では自分が悪かったと分かっていても、心の中にある相手を責めたい気持ちが、なくなるわけではありません。

反省している気持ちと、自分を守ろうとする気持ち。
相反する二つの気持ちが、同時に存在することもあるのです。

以前の私は、そんな自分の気持ちに気づくことさえできませんでした。
でも今は、相手のせいにしたいと思う自分がいても、その気持ちを否定せずに見つめられます。

「ああ、私はこんなに怒っていたんだな」
そうやって、まずは自分の思いに気づいてあげます。
そして、その言葉の奥にある気持ちを考えてみるのです。

「もっと丁寧に教えてほしかったんだ」
「まだ自信がなくて、不安だったんだ」
「間違えやすいところを、教えてほしかったんだ」
そうすると、自分が本当は何を望んでいたのかが、少しずつ見えてきます。

私の場合も、相手への怒りをたどるうちに、
「気にかけてほしかった」「分かってほしかった」という気持ちに気づくことがありました。

それが分かったら、
「そうだよね。初めてで不安だったよね」と、その気持ちにも寄り添ってあげます。

もちろん、自分の確認不足だったという事実は変わりません。
だからといって、相手のせいにしたかった気持ちまで、なかったことにする必要はないのです。

相手が実際に悪かったかどうかを、ここで決める必要もありません。
大切なのは、相手に言いたかった言葉を通して、自分の中にある本当の気持ちを知ることです。

自分でも認めたくなかった気持ちに気づくことが、自分を理解するきっかけになります。

③ 自分にできることを一つ見つけ、次の行動を変える

自分の気持ちが分かってきたら、今度は次にできることを考えてみます。

例えば、先ほどの社会保険の申請ミスであれば、
「次は、提出方法を先に確認しよう」
「久しぶりの手続きなら、以前のメモを見直そう」
「間違えやすい部分を、チェックリストにまとめよう」
そんな具体的な対策です。

また、仕事を教えてもらうときには、分からないことをそのままにせず、確認してみる。
自分がつまずいた部分を、後から入ってきた人にも分かるように整理しておく。

そして、誰かが同じ仕事をお願いするときには、
「ここは見落とし注意だから、気をつけて!」と、一言添えてみる。
自分が悔しい思いをしたからこそ、誰かが同じように困らないよう、行動することもできます。

もちろん、すべてを自分一人で改善しようとする必要はありません。
仕事の手順や確認方法に問題があれば、周囲に相談することも大切です。

失敗した自分を責め続けても、過去の出来事は変わりません。
でも、そこから学び、次にできることを考えることはできます。
自分自身を認めることと、失敗から学ぶことは両立できるのです。

まずは、次にできる行動を一つだけ考えてみてください。

生きづらさを軽くするために、毎日続けたい2つの習慣

ここまでは、つらい出来事があったときに、私が実践している3つの方法をご紹介しました。
それとは別に、普段の生活でも大切にしている2つの習慣があります。

どちらも、自分自身をいたわるための時間です。

① 一日の中に、自分がホッとできる時間を作る

仕事で嫌なことがあった日も、何となく疲れている日も。
私は、自分が心地よく過ごせる時間を大切にしています。

例えば、ゆっくりコーヒーを飲む。
お風呂に入って、好きなアロマを楽しむ。
少し気分転換したいときには、趣味の神社巡りに出かけることもあります。
友達を誘って、一緒に過ごすのも好きです。

特別なことでなくてもかまいません。
大切なのは、自分がホッとできる時間を、自分のために作ってあげること。

以前の私は、嫌なことがあると、その苦しさを家に帰ってからも引きずっていました。
でも今は、嫌なことがあった日にも、自分をいたわる時間を持てるようになりました。

「今日も一日頑張ったね」
そうやって、自分を大切にしてあげる時間です。

② 寝る前に、その日の良かったことを思い出す

もう一つ、私が続けている習慣があります。
それは、寝る前に、今日あった良かったことを思い出すことです。

例えば、仕事で失敗してしまった日。
ミスをしたことばかり考えていると、一日中何も良いことがなかったように感じてしまいます。

でも、よく振り返ってみると、
「困っていたとき、心配してくれた人がいた」
「今日は、ここまで仕事を頑張れた」
「帰ってから飲んだコーヒーがおいしかった。心底ほっとした」
そんな出来事があったかもしれません。

つらかったことを、なかったことにするわけではありません。
嫌だったことも、良かったことも、どちらもあった一日なのです。
だから、寝る前には、できれば良かったことにも目を向けてみる。

「今日も、こんないいことがあったな」そう思いながら眠れたら、嬉しいですよね。

もちろん、何も思いつかない日があってもかまいません。
良かったことを探すことまで、義務にする必要はないのです。

一日を、自分への反省だけで終わらせない。
私は、そんな小さな習慣の積み重ねが、自分の生きづらさを少しずつ変えてくれたのだと思っています。

アダルトチルドレンの生きづらさが改善しないときは?焦らず、誰かを頼ってもいい

「自分を認めようと思っても、また責めてしまう」
「分かっているのに、人の顔色を気にしてしまう」
「やっぱり、私は変われないのかな?」

そんなふうに感じる日もあると思います。
でも、長い間続けてきた考え方や行動が、すぐに変わらないのは不思議なことではありません。

私自身、長い年月をかけて、何度も3つの方法を繰り返しながら、
少しずつ自分との向き合い方を変えてきました。

そして、もう一つ覚えておいてほしいことがあります。
生きづらさを改善するために、無理に過去を思い出す必要はないのです。

私も父との関係を見直していたとき、過去の記憶が突然よみがえり、かえって苦しくなったことがありました。
誰かが怒られている姿を見ただけで、自分が叩かれていた頃の怖さを思い出すこともありました。

だからこそ、無理に過去を振り返ろうとしなくていいと思っています。
今の生活で困っていることから、少しずつ考えてもいい。
安心できる人に、支えてもらいながら進めてもいいのです。

つらい記憶が繰り返しよみがえり、日常生活にも影響している場合には、トラウマへの支援を行う専門家に相談することも大切です。

何十年もかけて抱えてきた生きづらさです。
急いで解決する必要はありません。

「変わる」とは、別人になることではありません。

嫌なことがあっても、自分自身の味方でいられるようになること。
失敗した日にも、自分が頑張ったことを認められるようになること。
日々の生活の中にある、小さな幸せに気づけるようになること。

私にとっては、それが大きな変化でした。

毒親育ちだからといって、もう手遅れだと決めつけなくていい。
これからの自分を、少しずつ大切にしていけばいいのだと思います。

今日、何か嫌なことがあったなら、まずは自分に一言だけ声をかけてみてください。

「つらかったね」
「本当は嫌だったよね」
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